メダカの飼育・繁殖
基本的な説明となりますが、飼育方法に関しては容器だけでもガラス容器なのか、水連鉢なのか、生体は何匹は言っているのか、日当たりはどうなのか等いろいろと条件は変わってきます。
基本を踏まえたうえで、各家庭にあった飼育スタイルを見つけ楽しいメダカスタイルを確立してください。
その他、疑問等ありましたら、店頭でもお答えできますし、お問い合わせフォームもありますので気軽にご活用ください。
メダカの飼い方【飼育】
準備
メダカ飼育に最低現用意しておきたいものは水槽、タモ(すくい網)、エサ。あと、忘れがちなのは“水”です。
メダカは水道水をそのまま利用できません。中に含まれているカルキ(塩素)を飛ばしてから利用します。
カルキ抜きの方法には下記の2種類のやり方があります。
カルキを抜く方法
- 晴れた日に丸1日バケツ等で外に汲み置きしておく
- 市販のカルキ抜きを利用する
市販のカルキ抜きを使用した場合
カルキ抜きは便利ではありますが、非常時以外はそれを利用した後でも太陽にあて、器具があるようでしたらエアレーションもして水を作ることをお勧めします。
水合わせ
当店を含め多くの場合、メダカは丸底ビニール袋に酸素を詰めた状態で持ち帰ります。急激な温度変化がない場合は、そのままの状態で丸1日いても問題ありません。
ただ、水量も少ないのでできる限り早めに、用意してある水槽に移しましょう。
その際重要になるのが、“水合わせ”です。同じように無色透明な水でもその質(pHや溶存酸素量等)が違う場合があります。そして、分かりやすいものでは温度の違いを合わせることも重要です。
水合わせの手順
- 封を切らずビニール袋に入ったままの状態で用意してある水槽に浮かべます。
- 1時間ほど浮かべたら5分おきにコップ1杯程度水槽の水を入れる作業を3回程行います。
- 袋の水のままゆっくりと水槽に入れます。
真夏の水合わせは注意
真夏の屋外容器では袋の中の水温が移す水槽の温度より高くなってしまいますので、すだれ等で遮光しながら行います。
ビニール袋内の水には注意が必要
ビニール袋の中の水は購入先の水ですので、目に見えない寄生虫・病気の原因などが含まれている場合があり、その水を水槽に入れてしまいますと既存の魚が病気になってしまう場合もあります。
感染を予防するには、1度袋から一回り小さいケースに移してから魚のみを水槽に移します。
給餌(エサやり)
メダカのエサにも様々な種類がありますが、一般的に使われているものはメダカ専用の粉餌になります。
季節ごとの給餌の目安
- 夏場:2回/日
- 春、秋:1回程度/日
- 冬場屋外飼育:与えません
給餌に関して一番大切なことは、食べ残しがないことです。目安としては与えて5分後に水面に残らない量を与えます。
そして、季節(水温)によっても食べる量が変わってきます。夏場と同じだけの量を涼しくなってから与えると、食べ残しも出てきます。季節の変わり目には特に注意してください。
魚の動き方も給餌の判断目安になる
地域によって違いますが、11、12月から2、3月までは底でじっとしているので、その際の給餌は止めましょう。春先、水面に浮かんで来たら少量与えてください。
メダカの増やし方【繁殖】
繁殖
メダカを飼う楽しみのひとつとして、気軽に繁殖できることがあります。産卵条件としては、12時間以上の光(日照時間)と20度以上の水温で産卵が始まります。地域差はありますが、自然環境下では4~9月がこの環境に当てはまります。
ただ、この条件が整えば必ず産卵するかと言えばそうでもありません。水が悪化していたり、個体が弱っていたりすると産卵しません。オスメス1対1の場合は相性もあったりします。
まず、“増やしてみたい”と言うことが目的であれば、元気な個体をゆとりある環境で複数(オス4×メス6等)飼うことをお勧めします。
繁殖には給餌も大切
給餌によっても産卵しなかったり、卵の数も変わってきますので、繁殖目的であれば複数回(最低でも2回は)与えてください。間違っても1回に大量の給餌は厳禁です。
採卵
無事卵が産まれたら、次はふ化のための準備です。卵は、メスのお腹にぶら下がった状態で産まれます。この卵を水草に付けたり、底に産み落としたりします。
メダカの場合そのままふ化させてしまうと、親に食べられてしまいますので、別容器でふ化させるようにしましょう。
卵のふ化日数は、1日の水温の合計が250度になるのが目安になります。どういうことかと言うと、1日の平均水温が25度であれば10日。平均水温が30度であれば8、9日でふ化といった感じです。
ただ、極端に高低水温ですとふ化しませんので(例えば水温50度にすれば5日でふ化するかと言えばしません)、20~32度位の間で収まるように維持しましょう。更に、ふ化率で言えば28度前後が理想です。水温15度以下、35度以上では極端にふ化率が下がりますので(ふ化しない場合が多数)お気を付けください。
その他、条件に当てはまっているのにふ化しない場合には無精卵の場合があります。
この卵は、始め分かりづらいかもしれませんが、2、3日すると真っ白になり周りにカビが生えてきます。
産卵し始めや、個体が小さい場合は特に無精卵になりやすいです。個体が小さい場合は成長を待つしかありませんが、成魚でいつまでも無精卵が続くようですとオスに問題がある場合がありますので、1対1で採卵する場合はオスを変える等対策してください。複数ペアの場合はだんだん有精卵になりますので、そのまま水の悪化のみ気を付けて飼育します。
水草は大切な産卵床
ホテイ草や専用の卵取りがあると、そちらに産み付けてくれるので便利ですし、採りだしも水草をそのまま別の容器に移せばよいので採卵が楽になります。
稚魚育成
ふ化したての稚魚はお腹に3日程度の栄養をため込んでいるので、ふ化直後のエサは必要ありませんが、
ただ、その後の給餌によって生存率が大きく変わってきます。
一般的には粉餌での給餌になりますが、“稚魚用”と売られているものでも少し粒の大きいものもあります。その際は、指やすり鉢ですりつぶし、パウダー状にしてから与えてください。そして、少量を複数回与えるのがいいです。理想は、2時間おきに1日5、6回与えられるといいですが、最低でも朝夕の2回はあげるようにします。
ただ、日が落ちる2時間前が消化の都合上最後の給餌にしてください。これは、成魚でも同じです
生存率、成長を促すエサとしては、ゾウリムシやブラインシュリンプの幼生があります。これらは、種をもとに自分で増殖、ふ化させる手間はかかりますが、成長という点では優れたエサになります。その他にはグリーンウォーターで稚魚を育てると、その中にある植物性プランクトンが稚魚のエサにもなります。
約1ヶ月程度経つと、針子と呼ばれる線状の稚魚から腹回りも厚みが出て成魚と近い対応力を持つようになります。稚魚の段階では水質変化にも弱く細心の注意が必要になります。いかにこの状態まで持っていけるかが繁殖のカギになります。
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